判断力を初日に手放したことで、逆に絶望も感じなくなった。実質最強のメンタル。
「酒は百薬の長」 ── 漢書
HQMN(酒コーナーの王)型の人々は、絶望に対する完全な免疫を持つ稀有なタイプです。閉じ込められた直後、多くの人間が「これからどうなるんだ」という不安に苛まれる中、あなたはすでにワインコーナーの前で銘柄を選んでいます。状況判断を放棄したのではありません。判断した結果、飲むことにしたのです。
このタイプの驚くべき点は、判断力を初日に手放したことで、逆に絶望も感じなくなっていることです。恐怖は未来を想像する力から生まれますが、あなたの想像力は今夜の献立までしか届きません。実質、最強のメンタルです。
HQMNの周囲には、不思議と人が集まります。あなたは何も生産していません。警備もしていません。しかし夜、あなたの周りだけ、なぜか笑い声が絶えないのです。極限状態の集団において「今夜が楽しい」という価値の希少性を、誰もが本能で理解しています。あなたは何もしていないのに、精神医療の中核を担っています。
一方で、王の朝は毎日つらい。二日酔いとは本来、休肝日によってリセットされるものですが、あなたの籠城生活に休肝日は存在しません。二日酔いのまま迎え酒をし、その迎え酒にまた二日酔う。永久機関の完成です。そして12日目の朝、あなたの肝臓は静かにストライキを宣言しました。休日なし、12連勤、残業は毎晩。労働基準法に照らせば、正当な要求でした。