非常事態でも3円を払わない。その一貫性に人望が集まり、なぜかリーダーになった。政策は3円の話しかしない。
「あなたが世界に見たいと願う変化に、あなた自身がなりなさい。」 ── ガンジー
HAMR(レジ袋有料化に抗う者)型の人々は、信念の人です。何に対する信念かと問われれば、レジ袋の3円に対する信念です。世界がどう変わろうと、店に閉じ込められようと、あなたの主張は一貫しています。「レジ袋は、無料であるべきだった」。
一見すると、これは籠城生活と何の関係もない主張です。実際、何の関係もありません。しかし極限状態の集団において、「昨日と同じことを同じ熱量で言い続ける人間」の存在は、想像を超える安定をもたらします。あなたの演説が聞こえる限り、今日も世界は正常なのです。
HAMRの真価は、そのブレなさが求心力に転化する点にあります。飢えや不安で全員の主張が日替わりに揺れる中、あなただけが初日と同じことを言っています。人は、変わらないものについていきたくなる生き物です。14日目、あなたは気づけば店内世論のリーダーになっていました。公約は3円の話しかしていないのに、です。
しかし、リーダーとなったあなたには、水の配分、見張りの当番、革命後のおでん経済の再建など、多くの議題が持ち込まれます。あなたはそのすべてに、誠実にこう答えました。「まず、レジ袋の話をさせてほしい」。14日目の午後、支持率と水分が同時に尽きます。歴史上、脱水で終わった演説はカストロ以来と言われています(言われていません)。