30日間、雑誌コーナーから一歩も動いていない。なのに店内の全てを把握している。閉じ込められる前から居た可能性がある。
「無為にして為さざるは無し」 ── 老子
KQSN(立ち読み仙人)型の人々は、この診断において最も説明の難しいタイプです。あなたは30日間、雑誌コーナーから一歩も動きません。バリケード建設に参加せず、配給の列にも並ばず、革命にも加わらない。それなのに、30日後、あなたは生きています。しかも割と元気です。
さらに不可解なのは、あなたが店内の全てを把握していることです。誰と誰が揉めているか、水があと何日で尽きるか、トイレに誰かが籠城していること——全部知っています。雑誌コーナーは店内が一望できる、情報の要衝だったのです。あなたは動かないのではありません。動く必要がないのです。
集団が重大な岐路に立つたび、なぜか人々はあなたのもとを訪れます。あなたは雑誌から目を離さず、一言だけ告げます。「バックヤードに、もう一人いる」——そしてそれは、いつも正しいのです。18日目には、あなたに相談することが店内の正式な意思決定プロセスに組み込まれていました。あなたは一度も立候補していません。
ただし、記録を精査すると一つの疑問が浮かびます。閉じ込められた初日の防犯カメラ映像に、あなたはすでに映っているのです。同じ場所に、同じ姿勢で。従業員の誰も、あなたがいつ入店したのか覚えていません。閉じ込められる前から居た可能性が、否定できません。27日目、あなたは長時間の立位による立ちくらみで静かに倒れます。30日間で唯一の、動作でした。